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愛!勇気!元気!広げよう幸せの輪!

愛!勇気!元気!広げよう幸せの輪!

2002年の代表団になられる方へ

 2001年日本青年交流代表団 A団 圓谷 裕司さんからのメッセージ
 
  交流の目的とは?
 
 異文化交流の本来の目的とは…利害関係?
 
   【顔のみえない交流】
  
  交易は進み、製品は街に溢れる。しかし、そこには人の顔はなく無気質だ…
   
■中国人がみる中国の中の日本
 2001年日本青年代表団に参加し“交流”という大義名分のもと訪中し、自己
満足な友好を得て気分を良くしていた…しかし、現実はその後の一通の手紙により
一変したのだった。それは訪中の最後に訪れた上海で通訳をしてくれた上海対外貿
易学院の学生からもらった手紙の一行だった。
その一行には「日本製品は街に溢れOL達は喜んでその製品を身につける。
しかし、そこに日本人の顔はない」と書いてありました。私はこの一行が今の日中交流の現状を物語っているのではないかとさえ思えてしまいました。
交流本来の目的とは何なのだろうか?中国人である彼女が中国に住みながら感じる日本。そして経済開放、WTO加盟、2008オリンピックで激動する中国。
 そこは日本にとって魅力的な余剰価値市場なのか?(だけなのか?)
 そんな問いを投げかけられたような気がする私の交流は、帰国後改めてリセットさせられたのです。
   
■日本人がみる日本の中の中国
 身の回りを見てみると、至る所に中国製品が溢れている。
こうやって文字を入力しているKeyboardにしても、PCにしても中国製品である。
厳密には台湾製品だが生産は香港ルートの中国本土である。
衣料品にしても、食品にしても中国製品で占められている。
 それは結局、約20年前に産業の空洞化を警告(マッキンゼーの空洞化)されながらも余剰価値を求めた日本企業の現状を醜く表現しているに過ぎない。
 日本が不景気に入ったのは、土地バブルの崩壊によるものが大きいが、それは金融に関するものであり、マクロ的な視点ではなかろうか?
 我々が今、切実に考えなければならない問題は日本人の余剰価値が下がりリストラ、レイオフ、企業倒産、デフレといった産業構造的な不景気ではないのか?
 中国は、我々に安い製品を供給するに欠かせないパートナーであると同時に日本人の余剰価値を下げている根本的要因でもあるのだ。
   
■「日中友好」本来の目的とは?
 日中友好の本来の目的は、文化/文明の交流ではないのだろうか?
成長する中国市場をターゲットにする日本人は果して友好的と言えるのだろうか…
逆に、日本市場をターゲットに安い中国製品を売り込む中国人はどうだろうか…
 経済大国と言われた日本はもう過去の話である。
日本の市場はデフレスパイラルに突入し、更なる空洞化が進み工業、産業の流出が
ますます加速し、情報と人も流出するだろう。
このままでは日本国崩壊も小説の中の話ではなくなるだろう。そのような現状の中
での日中友好は如何なるものであるべきかを改めて考えさせられるのです。
  
■植民地という概念
 日本が今、中国に対してアプローチしていることは中国の植民地化ではないのだろうか?
 安い人件費=余剰価値、豊かな果実=市場。
これらを利用し、利益を得る。これは経済交流という名のもと中国を植民地にしているのと変らないのではないか。そして、自国の民の首を絞める結果をも招いている。
   
■余剰価値
 当り前の話で恐縮だが、企業は人、物、金の余剰価値を増やすことで利益を発生させる。
 余剰価値が下がればそのモノは切り捨てられる。企業再構築によって余剰価値が見直され、生産性=余剰価値の低い製品や雇用は切り捨てられるのだ。人の余剰価値は人件費という単純な物差しで測られる場合が多い。人の生産性とはコストとの割合で計算され、コストが低いければ余剰価値は上がる。この事から中国人は余剰価値が高く、日本人は余剰価値が低くなる。結果、生産コストが下がり製品は安くなり、ユニクロの様な企業が続々と登場し、リストラが加速し流通システムが再構築され余剰価値の低い会社は倒産に追いやられる。安い=付加価値という概念が定着しつつある現在、この構図は変らない。
 しかし、安い製品の影には余剰価値の高い中国があるのも現実なのです。

■2002年の代表団になられる方へ
 参加される方の視点は様々だと思います。訪中前と後では考える質も変ると思いますが、
 我々日本人が置かれている現状=日本も意識して、参加されることを願います。
共創する事が理想です。しかし競争しなければならない相手でもあるのです。
あえてアンチテーゼな内容にしたことご理解くだされば幸いです。
   
       2001年日本青年交流代表団 A団 圓谷 裕司

圓谷 裕司さん、日本と中国の現状を捉えたすばらしいメッセージありがとうございました。



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